第13回 Billing Noteについて

◆Billing Noteとは請求一覧表
Billing Noteとは、顧客ごとに、その時点で支払い対象となっている請求を取りまとめた請求一覧表です。
売主側から顧客に提出し、顧客側から見ると「支払い一覧表」という位置付けになります。
例えば、1社の顧客に対して、
- Invoice A:100,000バーツ
- Invoice B:200,000バーツ
- Invoice C:150,000バーツ
と複数のInvoiceが発行されている場合、それらをBilling Noteにまとめ、
「今回、合計450,000バーツを支払ってください」
という形で一覧にします。
個々のInvoiceを一枚ずつ確認するのではなく、今回支払うべき請求をまとめて確認できることがBilling Noteの役割です。
◆Billing Noteに含まれる請求
Billing Noteは、単純に「未回収のInvoiceをすべて並べる」ものではありません。
基本的には、当月の支払予定となっているInvoiceを対象とします。
そのため、支払期限(Due Date)が翌月以降のInvoiceは、原則として当月のBilling Noteには含まれません。
一方で、すでにDue Dateを過ぎているにもかかわらず支払われていないInvoiceについては、当然ながら未回収としてBilling Noteに含めて管理する必要があります。
つまり、
当月支払予定分
+
支払期限を過ぎた未払い分
を一覧にするという考え方です。
◆Billing NoteとInvoiceの違い
ここは重要なポイントです。
Invoiceは個々の取引に対する請求書です。
一方、Billing Noteは複数のInvoiceをまとめた請求一覧表です。
例えば、
Invoice No. A001 100,000バーツ
Invoice No. A002 200,000バーツ
Invoice No. A003 150,000バーツ
という3件のInvoiceがあった場合、Billing Noteではこれらをまとめて、
今回支払額 450,000バーツ
として確認できます。
したがって、Billing Noteそのものが新たな売上を発生させるものではありません。
あくまで、すでに発行されているInvoiceを支払単位で整理するためのドキュメントです。
◆なぜBilling Noteが必要なのか
Billing Noteは、税務署に提出するための書類ではありません。
そのため、税務上のInvoiceなどとは性格が異なります。
しかし、実際の企業間取引では重要な役割を持っています。
顧客側の会計担当者は、受け取った複数のInvoiceについて、
「今回、どのInvoiceを支払えばよいのか」
を確認しなければなりません。
そこでBilling Noteを使えば、支払対象となるInvoiceを一覧で確認できます。
例えば、
Billing Note
↓
Invoice No.
↓
Due Date
↓
Invoice Amount
↓
今回支払額
という形で確認できます。
つまり、Billing Noteは売掛金と支払いを照合するための実務的なドキュメントなのです。
◆Billing NoteとAccount Receivable
Billing Noteは、Account Receivable(売掛金)管理とも密接に関係しています。
売主側では、
Invoice発行
↓
Account Receivable発生
↓
Due Date到来
↓
Billing Note発行
↓
入金
↓
売掛金消込
という流れになります。
そのため、会計システムが売掛金を正確に管理していれば、Due Dateなどの条件から、当月支払対象となるInvoiceを自動的に抽出してBilling Noteを作成することができます。
取引件数が多い企業ほど、この機能の効果は大きくなります。
◆Billing Noteは「請求をまとめる」という単純な機能ではない
Billing Noteそのものは非常にシンプルな帳票に見えます。
しかし、その背景には、
- Invoice
- Account Receivable
- Payment Term
- Due Date
- 支払予定日
- 入金
- 売掛金消込
といった情報が正しく管理されている必要があります。
つまり、Billing Noteを正しく作成するためには、日々の売掛金管理が正確に行われていることが前提になります。
そのため、会計ソフトによっては、売掛金の情報からBilling Noteを自動作成できる機能を備えています。
◆Billing Noteを理解する
Billing Noteは税務署との直接的な関係を持つ帳票ではありません。
しかし、タイで事業を行っていると、取引先から発行を求められる機会は少なくありません。
タイの会計では、InvoiceやReceiptなど税務上重要なドキュメントだけでなく、こうした企業間の実務を円滑にする補助的なドキュメントも数多く存在します。
Billing Noteはその代表例です。
要するに、
Invoice=個々の取引に対する請求書
Billing Note=今回支払うべきInvoiceをまとめた請求一覧表
と理解しておけばよいでしょう。
そして、取引件数が増えれば増えるほど、Billing Noteを人手で作成するのではなく、Account Receivableと連動して自動作成できる会計システムの価値が高くなります。
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