第10回 支払条件(Payment Condition)と支払日(Due Date)

◆支払条件が支払いに重大な影響

契約に従って商品やサービスが供与され、後は支払いのみという段階になって問題となってくるのが支払条件(Payment Condition)です。
さまざまな運用があるうえに、タイで頻繁に見られる想定外の出来事もあります。

◆支払いに関する各用語の意味

①支払期間(Payment Term)…Invoice発行後、支払いを行うべき期間。
②支払期限(Due Date)…支払期限日。これを超えると遅延損害金が発生する場合がある。
③支払日(Payment Day)…支払いを行う日。
④請求締日(Submit Day)…Invoiceの受付期限。いわゆる「〆日(しめび)」。これを超えると次回の支払実施日の扱いとなる。

これらの意味をしっかりと理解し、取り引きを行う会社間(担当者間で)で予め入念な打ち合わせを済ませておく必要があります。
支払いに関わる情報の把握はAccount Receivable Voucher やAccount Payable Voucherの管理とも密接に関わって来ます。
手作業では限界がありますので、自動計算ができるソフトウエアの導入なども一考です。

◆タイ人会計担当者の独自の判断で支払い遅延

もう一つ、支払日のことで注意しなければならないことがあります。
せっかく会社間で支払いをめぐる取り決めを済ませていても、会計の担当者が人為的に支払いを遅らせるケースがタイでは後を絶ちません。

背景には、支払いを少しでも遅らせることが会社の利益になるとした誤った理解があるようですが、これでは何のために取り決めを交わしたのかが分かりません。
タイ特有の現象ということができるかもしれませんが、Invoiceの送付後は先方の担当者に連絡するなどして支払予定日の確認を行っておくことが賢明のようです。