第14 回 会計システムの初期導入について

◆会計システムの初期導入の期間

新規に進出された企業様の場合、1-2カ月くらいです。既存会計システムから置換えの場合、データ移行がありますので2-3カ月かかります。

◆既存会計システムから置換えの理由

新規に進出された企業様の場合、新規にデータを作成しますので大きな問題もなく会計システムを導入することができます。
しかし既に会社運営されている場合、既存会計システムが稼働している状況または会計専門業者へ委託している状況だと思います。
既存会計システムからの置換えの理由のほとんどが、現状タイローカルの会計システムを使用していて、日本人にとってブラックボックス化していることです。

◆既存会計システムから置換えの移行データ

既存システムからの置換えには、データ移行という大きな労力が発生します。移行データの内容を以下に記述します。

①勘定科目マスタの整備。既存と同じものにすればいいのですが、日本人の理解できるものにするには既存の勘定科目マスタの修正が必要です。
②会計開始時点における、勘定科目ごとの初期残高(Initial Balance)、購入品・完成品・仕掛品の初期在庫費。
③会計開始時点における、売掛金明細(AR=Account Receivable)、買掛金明細(AP=Account Payable)データ。
④会計開始時点における、固定資産データ。
⑤各種マスタ、顧客マスタ、仕入先マスタ、品目マスタ、価格マスタなどのマスタ移行。

上記の①の勘定科目マスタの整備は、戦略上とても重要で日本との連結決算も絡みます。
上記の③④の売掛金明細・買掛金明細・固定資産のデータ移行はかなり量になりますので、Excelから変換できる会計ソフトが望ましいです。
タイの場合、固定資産の下限が5,000THB程度ですのでかなりのデータ量になります。

データ移行に関して、お客様とシステム提供ベンダーが一致協力していく体制が重要となります。